東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例

本日はこちらに参加させていただきました。

「東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例」施行記念
東京都障害者差別解消条例で何が変わるのか

2020年、東京都で開催されるオリンピック・パラリンピックの成功を願う私。

しかし、趣味のスキーくらいしかスポーツと縁のない私(実は深窓の令嬢のごとく虚弱で負担のかかるスポーツも避けてる私。いや、老化の為)に、アスリートの祭典は縁遠かった😭
そのため、せめて知識をと、機会あれば食いついております。

多様性ある社会実現の為にも、一都民として、ぜひパラリンピックの成功を強く願うものであります。
本日は東京都自立生活支援センター協議会(TIL)こちらの勉強会に始めて参加させていただきました。
車椅子で参加される方も多く、皆さまこの条例にかける熱意のほどが感じられる。

補聴器を耳に掛けられた方も多い。

ほぼ、満席の中、はじめに東京都議会議員の方からご挨拶がありました。

早坂義弘都議会議員(自民党)

挨拶に代えて、最近のパラリンピックについての質疑を読み上げておりました。
読み上げた部分のみ、会議録からコピペいたします。
平成三十年東京都議会会議録第八号

(早坂義弘君)
 次に、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会について伺います。
 パラリンピックの成功なくして二〇二〇年大会の成功なし、記録より記憶。知事が好んでお使いになる言葉です。
 二〇一二年ロンドン・パラリンピックは、史上最も成功したパラリンピックと称されています。ロンドン大会では、人々の態度や認識に影響を与え、障害者に対する態度を変えるとのレガシーが掲げられました。実際、大会後に行った政府の調査によると、国民の八〇%以上が、大会は障害者のイメージ向上のために有効だったと答えています。
 一方で、これとは反対の大変興味深い報告もなされています。イギリスの民間機関による、障害者を対象とした、大会後の障害者への態度の変化に関して、悪化したが二〇%、変化なしが五〇%と、極めて対照的な調査結果となっています。
 これまでイギリスの国民に、障害者は能力が劣る、あるいは障害者はかわいそうという先入観があったとすれば、それはパラリンピックを契機に払拭されたようであります。
 しかし、障害者を対象にした調査からは、それが行き過ぎて、あれだけのことができる障害者がいるのだから、この程度のことができないのは、その障害者の努力が足りないからだと感じる国民が存在するなど、市民感情は、意図せず、もう片方に振れ過ぎてしまったようにも見えます。実際、ロンドン・パラリンピック以降、イギリスでは、障害者に対するボランティアの数が減ったとも聞きます。
 私は日ごろの地元活動の中で、二〇二〇年大会についてお話しする機会が多くございます。その際、健常者の皆さんは、特にパラリンピックの理念に関して共感を抱くようです。
 一方で、不思議なことに、障害者の皆さんは、パラリンピックに対して驚くほど冷ややかだという印象を持ちます。それは、障害者の皆さんが、パラリンピックは自分とは別世界の話だと感じているからかもしれません。
 では、一体誰のためのパラリンピックなのでしょうか。
 客席を満席にすることは、パラリンピックの成功のための大きな目標の一つでしょう。それについて異論はありません。努力に努力を重ねてきたパラアスリートが渾身の力を振り絞って活躍する場面は、満席であってほしいと思います。また、パラアスリートの活躍を、全ての東京の子供たちに見てもらいたいとも思います。
 しかし、興行としてのパラリンピックの成功と、東京都がレガシーとして掲げる共生社会の実現とは、別問題だと考えます。今のままでは、パラスポーツにかかわり合いを持たない多くの障害者にとって、東京大会はロンドン大会と同じように、パラリンピックが開催されても、障害者への態度が何も変わらない、あるいはむしろ悪くなったという印象を持つということになりかねないと、私は危惧します。
 また、記録より記憶という言葉もそうです。
 私は平成二十八年第三回定例会で、スタジアムの客席や飲食店のバリアフリーについて提言いたしました。東京を代表するようなスタジアムであっても、車椅子の利用者は、障害者用に特別に設けられたエリアでの観戦を指定されます。そのことは、同行した健常者の仲間たちと離れて、一人ぽつんと観戦することを意味します。
 あるいは、私たちが日ごろ食べに行く食堂やそのトイレの多くには段差があります。したがって、何を食べたいかではなく、どこなら入ることができるかでお店を選ばざるを得ません。
 今日のこうした実態を考えれば、障害者の皆さんが二〇二〇年大会に求めるものは、記録でも記憶でもなく、共生社会の確立にほかならないはずです。にもかかわらず、記録より記憶とは、一体誰の視点なんでしょう。一体、どれだけの障害者が二〇二〇年大会に求めることが記録より記憶なんでしょう。当事者の視線が完全に欠落しています。
 つまり、パラリンピックの成功とは、二〇二〇年大会をきっかけに、誰もが障害の有無を意識せずに暮らしていける共生社会をスタートさせることにあると、私は考えます。
 では、知事のおっしゃるパラリンピックの成功とはどういうことを指すのか、教えていただければと存じます。
 折しも東京都障害者差別解消条例が提案されています。ここでは、東京都及び事業者に対して合理的配慮の提供が義務づけられています。
 そこでうたわれている合理的配慮の提供義務とは、事業者に過重な負担を強いるものではないとの説明を担当職員から受けました。
 例えば、飲食店の入り口に段差があっては、車椅子の方は入れませんし、お店のトイレの入り口が狭くては、そのお店で飲食することはできません。しかし、まちの小さなお店まで含めて、全てのお店にバリアフリー改修を命じることは、過重な負担を強いることになります。ゆえに、どの事業者にとっても、あくまで過重な負担のない範囲でと限定して、合理的配慮を義務づけるというたてつけです。
 そう聞けば、なるほど、もっともだとお感じになるかもしれません。しかし、ちょっと待ってください。
 何が過重な負担かの基準すら定めずに、この条例にうたう合理的配慮の提供義務は、社会にとって一体どんな影響力を持つのでしょうか。この条例により進める東京都の施策は、相談員の配置と普及啓発に努めることだけです。一体、相談と啓発だけで東京のバリアフリーが本当に進むと思っていらっしゃるのでしょうか。
 車椅子を使う我が友人によると、アメリカ国内では、ただの一度も車椅子で入ることのできなかったお店はないといいます。その友人の説明では、我が国ではバリアフリー改修は福祉の問題、一方でアメリカでは人権の問題、そこに違いがあるのだと思います。
 アメリカと日本は違うのは当然です。それはわかります。しかし、二〇二〇年大会を契機に東京を共生社会にしていくのが、大会のレガシーではなかったのでしょうか。その根幹にあるはずの障害者差別解消条例を、相談と啓発だけに終わらせてよいのでしょうか。また、そこで受けた相談を単なる相談に終わらせず、社会にフィードバックして、バリアフリーが少しでも進む仕組みになぜさせないのでしょうか。
 今こそ、都庁全体の政策を総動員して、共生社会の実現に向けた確かな歩みを進めるべきときであります。
 実は、私が大変感銘を受けた東京都の施策があります。それは一見、福祉とは縁遠いと思われる環境局のものです。前知事の時代、平成二十八年度からスタートした、環境性能の高いユニバーサルデザインタクシーへの補助のことであります。
 現在、都内を走るタクシーは五万台あり、そのほとんどがクラウンコンフォートという車種です。そのうちの一万台を五年間でジャパンタクシーという車種のハイブリッド車に切りかえていくというのが施策の内容です。この施策のポイントは、それが単なるハイブリッド車ではなく、車椅子でも乗ることができるユニバーサルデザインタクシーだということにあります。クラウンコンフォートとジャパンタクシーには百万円の差があり、国と東京都でその差額を補助、環境対策という第一の効果を発揮しながら、あわせて共生社会を実現するための大きな手助けともなる、実に見事な手法です。
 理念条例の策定は否定しません。しかし、具体的施策を伴ってこそ、共生社会は実現するのです。今こそ、都庁全体が共生社会実現のための具体的施策を次々と提案すべきときではないでしょうか。
 そこで、東京都障害者差別解消条例に実効性を持たせることに関して、知事のご見解を伺います。

自身の、パラリンピックについての質問部分を読み上げたのち、それに対応する知事の答弁もまた読み上げます。

(知事)
 IPCのパーソンズ会長は、パラリンピックの価値は、障害のある人への理解が大きく変わることだ、大会を終着点ではなく、人々の変化の通過点にしたいとおっしゃっておられます。
 パラリンピックの価値というのは、ダイバーシティーへの変革をもたらすところにあり、パラリンピックの成功というのは、その価値を社会に根づかせることにあると考えます。
 そのため、まずは多くの都民、国民にパラスポーツの魅力や迫力を発信し、東京二〇二〇パラリンピックの会場を満員の観客で埋め尽くしてまいりたい。パラスポーツをしっかりと社会に根づかせて、これまでスポーツにかかわりのなかった障害者の方々も含めまして、誰もがスポーツに親しめる環境を築いてまいります。
 また、スポーツだけでなく、あらゆる分野で障害者がその能力を生かせるよう、ハード面はもとより、心のバリアフリーなどソフト面のバリアフリー化をさらに進め、障害者の社会参画を推し進めてまいります。
 パラリンピックを契機といたしまして、障害者や高齢者など全ての人々に優しいまちづくり、社会づくりにつながる取り組みを、全庁を挙げて加速させてまいります。そして、私が目指しますダイバーシティーを着実に実現し、障害のある人もない人も、互いに尊重し、支え合う共生社会をつくり上げてまいります。
 障害者差別解消条例の実効性の確保についてのお尋ねがございました。
 都は現在、障害者や高齢者などを初め、全ての都民が安全・安心、快適に過ごすことができるように、東京都福祉のまちづくり推進計画を策定いたしまして、ハード、ソフトの両面からバリアフリーを推進いたしております。
 計画には、公共交通や建築物、道路といったハード面に加えまして、さまざまな障害特性などにも配慮いたしました情報バリアフリーの充実など、ソフト面でのバリアフリーについての施策を盛り込んでおります。お話のございましたユニバーサルデザインタクシーもその一つでございます。
 本条例は、こうしたバリアフリーの施策に加えまして、社会全体で障害のある方々への理解を深める、そして差別を解消する取り組みを一層推進するために、障害者差別解消法の規定に加えまして、合理的配慮を民間事業者に義務づけるほか、相談、そして紛争解決の仕組みを整備するなど、差別解消への実効性を高めるものでございます。
 この条例を一つの契機といたしまして、障害を理由に分け隔てられることのない共生社会の実現に向けた取り組みを加速してまいりたいと存じます。

その上で、早坂氏は「小池知事は私の質問にまったく答えず肩透かし」と断じます。
呆気に取られてしまいました。
知事は
「IPCのパーソンズ会長は、パラリンピックの価値は、障害のある人への理解が大きく変わることだ、大会を終着点ではなく、人々の変化の通過点にしたいとおっしゃっておられます。」
と、まず仰っておられます。

障害ある方への理解という、我々の意識の変革こそが肝要なのです。
ロンドン・パラリンピックがまるで失敗であったかのような早坂都議の話は、この会合に参加されていた方達にどんな励みとなったのでしょう?
何もこんな機会を捉えてのネガティブ・キャンペーンをしなくても、と思ってしまいました。会場の方々がパラリンピックを否定的に感じることのないように願いたいです。
会場には、後半から都民ファーストの会の清水やすこ都議もお見えになっていたようです。前半のあのスピーチをお聞きにならなくてよかった…😓

0コメント

  • 1000 / 1000